2011年7月11日月曜日

はじめまして/林加奈子

こんにちは、はじめまして。林加奈子と申します。私は鈴木勝雄さんキュレーション、「行為の装填」で来年2月から展示をします。(会期は2012年2月18日~3月25日です。)どうぞよろしくお願いします。

私は現在、ロンドン芸術大学チェルシーカレッジのアート・セオリー学科に交換留学生として在籍しています。昨年末からロンドンに住んでいて、最近ようやくロンドンの街に身体が慣れてきたところです。そして、雨が多くて曇り空でだいたい夜は冷えるロンドンの気候も、少しいい感じになってきました。


今回の展覧会では、ロンドンでこれから制作する作品を展示する予定です。

いつも私は作品を街の中(屋外)で作ります。自分自身の視点から、アートを使って、ロンドンという都市を自分自身が理解するためのアクション/パフォーマンス/をこれから展開する予定です。
最近、リサーチで外にでることが多いのですが、ひとつ興味深い発見がありました。観光地や繁華街ではない普通?の生活空間で写真をとりスケッチしていた時に、1人の通行人の人に声をかけられました。ここは公共空間、なのでいつも制作中は当然ですがそこに住む人や通行人の人たちとのさまざまな出会いがあります。彼は私に、なぜその写真を撮るのか?何のために撮るのか?この写真は何のために使うのか?と質問しました。私は彼の質問に対して、普通に答え、写真を撮り、スケッチを終え、その場を去ったのですが、こんなこと別に普通のなんでもないよくある出来事なんだけど、私はこの質問に、ロンドンの特徴が現れているな~と思い、すごく面白いなと感じました。だって、普通?こういうときって、最初の質問は、何をしているの? から始まるんじゃないのかな???
彼が知りたかったことは、何をしているの? ではなく、なぜそんなことするのか?という、理由で、そして、何のために撮るのか?と、その意味を問うている。いま英語圏に身を置く私にとっては、普通の日常の中にあるこの質問に、ここの人たちが言語で相互理解する、理屈からはじめる、といったひとつの特徴があらわれているように感じられました。
今まで色んな都市、街で作品制作をしてきた実感としてあるのは、私は観客:主にそこの住人や通行人の人たちが見せてくれるリアクションから、その都市を理解するための"きっかけ"を掴みます。ある場所である人は静かに観察/傍観し、他の場所で他の人は感情を表現し、または行動で、そのリアクションを見せてくれます。
そんなこんなで、もうしばらくはここの街に身を置き、この街で出会う出来事や人々との会話を通して、日常のスケッチを続けたいと思います。

林加奈子

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