2011年8月15日月曜日

ロンドン生活/夏の終わり



こんにちは。林加奈子です。ロンドンは大学が終わり夏休みに突入しました。街のムードはバカンスで中心街は世界中からの観光客で大混雑しています。そんな中、先週ロンドン北部で勃発した暴動があちこち飛び火して一部大変な騒ぎになっていました。私が今間借しているロンドン東部にあるスタジオの真下で騒ぎが起こった時は一瞬心臓飛び出るかと思いました。そこで暴れていたのは本当に若いキッズの集団で、今目の前で起こってる状況についていけず。一瞬にしてスタジオ近辺が戦闘モード。でも今はもうロンドンの暴動は収まったようです。

あとから知ったロンドン炎上の映像や写真のニュースと実際にここで感じる空気との温度差、怯える人々と冷静な人たちのギャップを目の前に、このちょっと激しすぎるいろんな人間と状況のギャップに私の頭はクラクラします。きっとこの暴動が拡大した原因にはイギリスの移民、人種、マイノリティーとか貧困の問題がぐちゃぐちゃに絡み合ってて、原因は私が思うよりずっと暗くて根深いもんだと感じます。社会っていろんなレイヤーで成り立っていて、もちろん私のいるレイヤーとこの現状のレイヤーは全然別レイヤーで存在していて、でもそんなレイヤーが何層にも重なりあった同じ社会に住んでるんだしと思うと、このイギリスの現状に実際凹む。
こんなことが起こった先週の後半。中心街はすでにまたいつも通りの大混雑で、暴動のあった地域はまだお店が開いてなかったり。私はここで気をつけながら暮らしていくしかないんだなぁと思う。世知辛い世の中だぁ。

ここ最近、写真/パフォーマンスを試し始めていて、ちょうどこの騒ぎがあった日も撮影に出掛けていたけど、この日の昼に入ったカフェの近くで突然騒ぎが起こったから、店の中に避難させられてしばらく外に出られなかったり、完全防備された戦車みたいな黒色の車が5、6台くらい目の前を通り過ぎて行ったり、スーパーの扉のガラスが割られていて、(普段からガラスが割られているのはよく見る。この時はそこまで気にしていなかった)不穏な空気がいつもより漂っていたからこの日は撮影するのをやめてスタジオへ戻ったのが本当によかった。
虫の知らせと言うか、しかしこんな断片を立て続けに見ると、さすがに外出する気も萎えたのが正直なところ。それでもまたこれから出来る限り外出する、気をつけながら出て行くしかない。

作品の試作については、ロンドンの街の中に無数に張り巡らされている「柵」と、道端に落ちてる「物体」に注目しながら鋭意作成中

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